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【Shopeeフィリピン】特徴と売れ筋商品、注意点は?

円安が進む中、輸出ビジネスが注目を浴びています。急成長している東南アジア市場で人気な越境ECモールShopeeに参入する方が多いのはご存知でしょうか。

 

「Shopeeってマーケットがいくつもあるけど、狙い目のマーケットはどこ?」

「フィリピン市場に興味あるけど、実際稼げるの?」

 

Shopeeのフィリピンマーケットの特徴と売れ筋商品をご紹介します。

注意点もまとめましたので、参入しようとしている方は参考にしてみてください!

Shopeeとは?

東南アジア最大規模の越境ECモールです。日本からはシンガポール、フィリピン、台湾、タイ、マレーシアへの販売が可能となっており、2024年からはベトナムも追加されました。

 

Shopeeの魅力は出店費用が不要、販売手数料が低く、急成長著しいマーケットと3拍子揃っている点です。どの国でも日本製品への信頼は厚く、日用品・化粧品・時計・アクセサリー・家電といった幅広い商品が売れています。

 

では、実際にフィリピンマーケットについて、見ていきましょう。

フィリピンのEC市場の現状

フィリピンのEC市場は成長中の狙い目マーケット!

フィリピンの2024年推定EC市場規模は155億1,000万米ドルと言われています。年平均成長率(CAGR)が13.78%と算出されているため、2029年には295億7,000万米ドルまで拡大していくと予想されているのです。日本のEC市場成長率は、2022年で5.37%で成熟しつつある市場なので、フィリピンのEC市場が成長中だということがわかります。

 

一方、フィリピン市場の拡大には課題も多くあります。インフラ整備が不十分なので、物流に問題があること、国内全体でのインターネット利用率はまだ低く、EC市場に参入する企業が少なかったりすることが課題です。

 

しかし、コロナ禍を経て、インフラ問題が急速に解決され、インターネットが普及してきました。インターネット普及率も、2010年は約25%であったものが、2020年には67%と急速に伸びています。

 

急成長の背景には、フィリピンの人口と平均年齢にも関係しているのです。2023年のフィリピンの総人口は、約1.17億人(世界で13位)で平均年齢は25歳と若年層が多い傾向があります。日本は約1.23億人(世界で12位)で平均年齢が48歳なので、その違いは明確です。

 

口座保有率が25%、クレジットカード保有率が5%程度と低いのですが、スマートフォンなど携帯電話の保有率は100%を超え、若者を中心に徐々にECが普及しつつあるなど、ECの発展の土壌はできつつあります。また、EC市場への政府の支援もあるため、今後のEC市場の成長は期待できるでしょう。

 

では、Shopee のフィリピン市場はどのような特徴があるのでしょうか。

Shopeeフィリピン市場の特徴

特徴は以下の2点が挙げられます。

1.10〜20代の多くが越境ECを利用している!

2.親日国フィリピンでは日本商品が人気!

 

1.10〜20代の多くが越境ECを利用している!

インターネットを活用する若年層が多いフィリピンは、オンラインショッピングを利用する消費者が増加し、スピーディーな配送サービスやEC販売商品の充実に対してのニーズも年々高まっています。

 

・購買力の成長

フィリピンでは、一人当たりの購買力平価GDP(※)が2023年は11,340ドル、2024年は12,192ドルと購買力平価GDP成長率は7.5%と確実に上昇しています。

 

※国内の生産活動による商品・サービスの産出額から原材料などの中間投入額を控除した付加価値の総額

 

留学、中長期滞在の日本人

日本から距離が近く、物価も安いフィリピンは留学先として非常に人気です。2024年の海外留学協議会(JAOS)による日本人留学生数調査では、アメリカ、オーストラリア、カナダ、イギリスに次ぎ、5番目に多い数字となっています。そのため、フィリピンに滞在している日本人が日本のものを購入するために利用することも多いようです。

 

キャンペーン施策

フィリピンでは、Shopee専用のテレビ番組があり、現地の有名人に商品のレビューや販促告知をしてもらえます。番組後の商品購入金額(GMV)は平均7倍増になります。また、ライブストリーム機能やインフルエンサーとの提携によって、若い世代の集客が可能です。

 

2.親日国フィリピンでは日本商品が人気!

日本はフィリピンを占領していた歴史もあります。しかし、2024年の調査(※)で日本への好感度は「大好き」「好き」を合わせると100%と高い状況です。

 

理由としては、日本がフィリピンの高速道路、空港、鉄道、港、道路などのインフラ支援や衣食住の整備を行ってきたこと、最大の貿易相手国のひとつなどが挙げられます。

 

そのような親日国であるフィリピンでは、日本の和を感じられる商品やゲームやアニメに関する商品などの人気が非常に高いです。また、近年では富裕層や若年層を中心に日本製品の良さが再度理解され始め、注目度も上昇しています。

 

※アウンコンサルティング株式会社による親日度や訪日意欲に関する調査

https://www.auncon.co.jp/press/release/2024-06-13/

フィリピンのEC市場 | ShopeeとLazada

日本のEC市場は、Amazonや楽天市場が優勢です。フィリピンのEC市場では、Amazonや楽天市場よりもShopeeとLazadaが圧倒的なシェアを占めています。2021年の第二四半期の月間平均訪問者数は以下の通りです。

 

1位 Shopee (7193万人)

2位 Lazada (3655万人)

3位 Zalora (176万人)

4位 eBay (27万人)

5位 Beauty MNL (26万人)

 

参考:Ang Map ng E-Commerce Philippines

 

2019年の月間平均訪問者数は、Lazadaが1位でしたが、2021年第二四半期の訪問者数は、Shopeeが1位になりました。Shopeeは、フィリピンの若年層が最も注目しているECプラットフォームと言えるでしょう。

 

では、このフィリピンマーケットでは、どのような日本の商品が人気なのでしょうか。フィリピンでよく売れている商品を見てみましょう!

Shopeeフィリピンの売れ筋商品

Shopeeのフィリピンマーケットでは、コロナ禍でオンラインショッピングをする消費者が増え、洋服、日用品、美容商品の販売数が増えました。また、ホビー、ファッション、電化製品も根強い人気があります。

 

Shopeeフィリピンで販売数が多いカテゴリーTOP5

販売数ランキングは以下の通りです。
1位 時計 32.2%
2位 ゲーム&コンソール 13.6%
3位 ホビー&コレクション 13.3%
3位 ビューティー 13.3%
5位 ヘルスケア 7.6%

 

では、実際に特に人気なカテゴリーの売れている理由をみていきましょう。

 

Shopeeフィリピンで「時計」が人気な理由

フィリピンで時計が売れている理由は、日本の高品質な時計ブランドへのゆるぎない信頼によるものです。特に、セイコーやシチズン、カシオのG-SHOCKは非常に人気が高くなっています。フィリピンで増えている富裕層は、ファッションに非常に敏感です。ファッション小物やデザイン性の高い時計が人気です。また、高品質なものへ高いお金を払う価値があると考えている方が多くいます。

 

2023年に老舗百貨店 三越がフィリピンのマニラに初出店しました。時計ブランドでは、カシオのG-SHOCK専門店が出店し、1万円〜30万円という価格帯で時計を販売しています。

実際に店舗を利用しているお客さんは、「友達が放り投げても壊れなかった。そこから信頼している」「耐久性が高く、熟練した技術で精巧に作られている。高品質なものへは高いお金を払う価値がある」と話しています。

 

このようにフィリピンでは、価格が高くても価格に見合った付加価値があれば、惜しみなくお金を使う人が増えている状況です。また、既に日本製の時計ブランドへの信頼も根強くあります。そのため、日本製の時計は、高価格帯であっても人気商品となっているのでしょう。

 

Shopeeフィリピンで「アニメ・ゲーム・ホビー」が人気な理由

フィリピンは、アニメ文化が根強く浸透しています。なぜなら、日本のアニメが1970年代からフィリピンのテレビで放映されているからです。当時は「ボルテスV」の人気が非常に強く、国民的アニメとなりました。その後、「セーラームーン」「らんま1/2」なども大ブームとなりました。

 

現在のフィリピンには、「NARUTO」「ワンピース」「幽遊白書」「るろうに剣心」「スラムダンク」などに根強いファンがいます。近年では、フィリピンでもNetflixなどの映像サブスクリプションが広く浸透したことで、子どもから大人まで幅広い年齢層が日本のアニメを気軽に楽しむ人が多くいるのです。

 

フィリピンでは「日本のアニメ好きのための大型イベント」も開催されているほど、日本のアニメや文化が愛されています。そのため、日本でしか買えないようなアニメ関連商品の需要が非常に高まっているのでしょう。

 

Shopeeフィリピンで「美容・健康」が人気な理由

ユーロモニター2019によると、フィリピンの美容商品市場は、2004年から2018年までで約2倍に成長し、2018年はおよそ1993億ペソでした。今後、更に大きく拡大していく予想もされています。

 

従来、フィリピンの美容商品と言えば、カラーメイクアップ商品が主流で、スキンケア商品への関心はないと言われていました。しかし、美容商品市場が拡大したことで、スキンケア用品への注目も高まってきています。

 

フィリピンは日本に比べて紫外線の強さが7倍ほどあり、水道水は硬水です。そのため、フィリピンに留学・滞在中の日本人にとっても、日本製の美容品でケアをしたいと購入する方が多くいます。「SPF50」などの日焼け対策がしっかりとされた日焼け止め、UV加工のあるサングラスが非常に人気です。

 

Shopeeフィリピンでの人気商品カテゴリーと、具体的な販売商品やブランドなどの売れ筋商品の詳細は、こちらの記事を参考にしてください。

Shopee各国の売れ筋商品は?公式が配布した各国の売れ筋商品、カテゴリーを徹底解説!

 

では、Shopeeのフィリピンマーケットへの出店方法をご紹介します。

Shopeeフィリピンの出店方法(登録~出品方法)

shopeeのアカウント申請から出品まで、約1週間程度で完了します。

登録から出品までの流れは、以下の通りです。

 

<step1> アカウント登録

<step2> 入金情報登録

<step3> 出品

 

ステップごとに具体的な手順を説明します。

 

<step1> アカウント登録

・アカウント申請

法人番号の有無・名前・電話番号・メールアドレスを入力、送信します。

詳細フォームが送られてくるため、販売するカテゴリーや月の出品予定商品数などを入力して送信すると、審査が開始されます。(入力作業時間目安:5〜10分)

申請後、3日〜1週間程度で「アカウント登録のご案内」というメールが届きます。

 

・アカウント本登録

送られてきたメールのURLよりアクセスし、携帯電話番号の認証、メールアドレス認証を行うと登録が完了します。(入力作業時間目安:1〜5分)

 

その後に、出店を希望したマーケットのショップ設定が可能になります。「セラーセンター」からショップ名や説明文、ロゴなどの設定を行いましょう。

 

アカウント登録方法の詳細は、こちらの記事を参考にしてください。

【2024年最新】Shopeeアカウント作成マニュアル完全版

 

<step2> 入金情報登録

shopeeでは、売上金を受け取る際に必ずPayoneer口座が必要です。

口座開設申請は、審査に時間がかかりますが、審査中でも出品はできます。

 

・Payoneer(ペイオニア)口座開設申請

口座開設には、出金先の日本の銀行口座情報や写真付き身分証明書が必要です。

(入力作業時間目安:5〜10分)

口座開設の審査結果は、4営業日以内にメールにて届きます。

 

・口座情報とshopeeを連結

shopeeの「セラーセンター」にログインをし、Payoneerアカウントを登録します。

連結が完了すると、「My Wallet」で口座情報を見れるようになります。  

 

<step3> 出品

・出品する商品を決める(リサーチ)

shopeeシンガポールマーケットで出品したい商品をリサーチしましょう。

 

・商品登録

「セラーセンター」にログインし、「商品登録」を選択します。

商品名、カテゴリー、説明、価格、在庫数量などの商品に関する詳細情報、商品画像などの必要事項を入力し、「公開」をクリックして出品します。

 

出品方法の詳細は、こちらの記事を参考にしてください。

Shopeeの出品方法を完全解説!初心者がつまずくポイント5選と対処法

 

最後に、出品するときの注意点もあわせて確認しましょう。

Shopeeフィリピンに出品するときの注意点

気を付けるべき点として、以下の3点があります。

・販売禁止品

・配送方法と送料

・手数料

 

販売禁止品を出品してしまうと、ペナルティポイントが付与されます。ペナルティポイントが溜まると、アカウントを凍結されることもあるので、注意が必要です。また、配送方法、送料、手数料などは出品価格や利益に影響するため、しっかりと把握しておきましょう。

 

フィリピンの販売禁止品

フィリピンで特に注意すべき商品は、銃や剣がついているおもちゃ歯科衛生商品です。歯科衛生商品を販売したい場合は、現地のライセンスが必要になります。

その他の品目は、Shopee Japan 販売規制ガイドを事前にしっかり確認しましょう。

 

配送方法と送料

フィリピンでは、Shopee独自の配送サービス「SLS」が2023年1月よりスタートしました。売れた商品をShopeeの国内配送先まで発送すると、Shopeeが現地の購入者までの国際配送を行ってくれるサービスです。

 

SLSについての詳細はこちらの記事を参考にしてください。

Shopee売れたら物流・配送はいくら?手順は?安すぎる国際配送SLS・SPSとは?具体例を交えてご紹介!

 

送料は、国内配送先までの送料と国際配送の送料がかかります。

国内配送は、東京のShopee倉庫まで佐川急便で送る必要があるのです。60サイズ1kgの場合、発送元のエリアにより、910〜1914円かかります。

 

フィリピンへの国際配送では、配送先エリアによって3つに料金が分類されています。しかし、どの配送先であっても、セラーが販売する送料と購入者が負担する送料の差額は、50g以下で6PHP(※)、その後10gごとに5PHPという条件は変わりません。

 

※PHP フィリピンペソ

 

たとえば、500gの商品の配送には、50g 6PHP+(5PHP/10g×45)=231PHPかかります。

2024年6月現在、1PHPは約2.7円なので、231PHP×2.7円=約624円の送料負担が生じる計算です。

 

つまり、国内配送+国際配送で送料は約1500〜2500円はかかると考えましょう。売れる商品が多くなると、国内配送をまとめて梱包ができるため、送料を節約できます!

 

その他の手数料

Shopeeは、送料以外にも手数料が発生します。

具体的にどのような手数料があるか見ていきましょう。

 

・初期費用、店舗維持費用、出品手数料

かかりません。無料でアカウントを作成、維持、出品ができます。

 

・販売手数料 (Commission)

2024年3月時点でのフィリピンの販売手数料は3.36%です。

 

・決済手数料 (Transaction Fee)

2024年3月時点でのフィリピンの決済手数料は2.24%です。

 

・為替手数料

Payoneerから日本国内の銀行に出金する際に発生する為替手数料は約2%です。

 

・送料リベート

購入者が送料無料チケットを使用しなかった場合、送料を購入者が支払わなければならないことがあります。その際、送料リベートとして、セラーに50〜100PHPが戻ります。

 

実際に送料や手数料を計算すると、利益はどうなるのでしょうか。

実例を用いて計算してみましょう。

 

【事例1】

Merchandise Subtotal

Product Price(商品価格)

PHP 4000

Voucher

Voucher

(セラー発行バウチャー:割引)

PHP 0

Fees & Charges

(手数料)

Commission Fee

(販売手数料)

PHP 134.4

(= PHP 4000 * 3.36%)

Transaction Fee

(決済手数料)

PHP 89.6

(= PHP 4000 * 2.24%)

送料(500g ZoneAの場合)

国内配送 1000円

国際配送 PHP 281

送料リベート

△PHP 50

合計手数料

PHP 455 + 1000円

(= PHP134.4 + 89.6+ 281 – 50 )

4000PHPで売った商品に対して、4000PHP – 455PHP = 3545PHPが入金されます。

1PHP=2.7円と計算すると、3545PHP × 2.7円/PHP = 9571円を受け取ることができます。

国内送料1000円を考慮し、仕入値が5000円だとすると、3571円が利益になります。

 

【事例2】

 

Merchandise Subtotal

Product Price(商品価格)

PHP 4000

Voucher

Voucher

(セラー発行バウチャー:割引)

PHP 100

Fees & Charges

(手数料)

Commission Fee

(販売手数料)

PHP 131.04

(= (PHP4000 – 100) * 3.36%)

Transaction Fee

(決済手数料)

$ 87.36

(= (PHP4000 – 100) * 2.24%)

送料(500g ZoneAの場合)

国内配送 1000円

国際配送 PHP 281

送料リベート

△PHP 50

合計手数料

PHP 449.4

(= PHP131.04 + 87.36 + 281 – 50)

4000PHPで売った商品に対して、4000PHP – 100 – 449.4 = 3450.6PHPが入金されます。

1PHP = 2.7円と計算すると、3450.6PHP×2.7円/PHP=9316円を受け取ることができます。

国内送料1000円を考慮し、仕入値が5000円だとすると、3316円が利益になります。

まとめ

フィリピンのEC市場は、今後も成長が続くと予想される市場です。そのため、Shopeeのフィリピンマーケットの競争はますます激化していくでしょう。今が参入のチャンスです!

 

ぜひ本記事を参考に、フィリピン市場に参入して、成功をつかみとりましょう!

Shopeeは他のECプラットフォームと比較しても、手数料が安いです。
90日間販売手数料無料期間がある間に始められるとさらにお得です。


さらに、Shopeeの出店料は無料です。


しかし実際に出店作業をする際の時間や工数はかかります。
出店代行に依頼する方法もありますが、せっかく初期コストが無料なのに勿体無いと感じるお気持ちもわかります。


そこでten.ではただいま『無料出品サービス』をご提供しています!


少しでも気になる方は、下記ボタンからお問い合わせください。

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。

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