Shopee各国の売れ筋商品は?公式が配布した各国の売れ筋商品、カテゴリーを徹底解説!
Shopeeでは販売する国によって売れる商品が変わります。
この記事ではシンガポール、フィリピン、ベトナム、台湾、タイ、マレーシアで売れ筋の日本製商品とカテゴリーを国ごとに徹底解説。
「この商品はどの国との相性がよいか」といった販売先の選定などにも役立つでしょう。まずは各国の売れ筋を知りたいという方も必見です!
Shopee(ショッピー)の売れ筋商品とは?
この記事で紹介する「Shopeeの売れ筋商品」とは、Shopee公式が配布した国別の日本製品販売数TOP3000をもとに当社が分析したものです。
①国の特徴 ②人気商品カテゴリー ③カテゴリー内の人気ブランド ④売れ筋商品TOP5 の流れで対象となる6ヵ国(シンガポール、フィリピン、ベトナム、台湾、タイ、マレーシア)を順に解説します。
一読するだけで国による売れ筋の違いをご理解いただけるはずです。
Shopeeとは?
東南アジア最大規模の越境ECモールです。日本からはシンガポール、フィリピン、台湾、タイ、マレーシアへの販売が可能となっており、2024年からはベトナムも追加されました。
Shopeeの魅力は出店費用が不要、販売手数料が低く、急成長著しいマーケットと3拍子揃っている点です。どの国でも日本製品への信頼は厚く、日用品・化粧品・時計・アクセサリー・家電といった幅広い商品が売れています。
それでは各国の人気商品カテゴリーと売れ筋を見てみましょう!
Shopeeシンガポールでの人気商品カテゴリーと売れ筋商品!
①シンガポールの特徴
ほぼ赤道直下、東京23区ほどの広さの国土に約564万人が暮らしています。中華系が人口の7割以上を占めていますが、少数派のマレー系などとの民族対立はなく、治安が非常に安定しているのが特徴です。公用語が英語であること、法人税や相続税の優遇があることなどから世界中から富裕層が集まり、アジアきっての豊かな国へと発展しました。
他のShopee参画国に比べると、Shopeeシンガポールは百貨店コスメや美容家電、ゲーム機本体などの売れ行きがよく高単価を狙いやすいエリアといえます。
なお、シンガポールではチューイングガムの持ち込み自体が禁止されているためShopeeシンガポールでガムの販売はできない点に注意しましょう。
②シンガポールの人気商品カテゴリー
Shopeeシンガポールで販売数が多いカテゴリーTOP5
1位 ビューティー(27.1%)
2位 ゲーム&コンソール(15.2%)
3位 ホビー&コレクション(11.4%)
4位 ヘルスケア(9.2%)
5位 ホーム&リビング(7.6%)
トップの美容関連商品が全体の3割近くを占め、次いでゲーム関連が約15%、さらにホビー関連が約11%と続きます。この3つのカテゴリーで販売数全体の半数を占めているのがShopeeシンガポールの特徴です。
③上位2カテゴリーの販売ブランド内訳
Shopeeシンガポールにおけるビューティー部門の人気ブランドの内訳を見ると、おなじみの大手ブランドが並びます。具体的な商品を探ると以下のような特徴が現れました。
・1位 SHISEIDO(資生堂)
ヘアケア製品が最も多く、スキンケアも売れています。11位のTSUBAKIは近年まで資生堂のヘアケアブランドでしたが事業売却をしたため「TSUBAKI」ブランドとしてカテゴライズされています。8位のアネッサは資生堂のサンケアブランドです。
・2位 SKⅡ(P&G)
スキンケアを中心とした高価格商品が満遍なく売れています。高級化粧品の代表ともいえるSKⅡがビューティー部門の上位に食い込むのはShopee参画国の中でシンガポールのみ。国の経済力がよく表れています。
・3位 ビオレ(花王)
クレンジング、メイクアップリムーバー、ハンドソープといった幅広い商品が売れています。花王ブランドは多数がランクイン、12位には敏感肌用のスキンケアブランド「キュレル」、15位にはヘアケアブランド「リーゼ」、メーカー別でみると、花王は資生堂に僅差の2位といえるでしょう。
・4位 KOSE(コーセー)
さっぱりとした使い心地と美白ケアを両立。中価格帯の「雪肌精シリーズ」が人気です。
・5位 肌ラボ(ロート製薬)
日本でもドラックストアコスメとして人気の「極潤シリーズ」がランクイン。安価でたっぷりと使え、詰め替え用が揃っているのが肌ラボの魅力。海外でも根強いファンを作っているようです。
6位のミルボン、7位のアヴェダはスタイリング剤やヘアブラシが中心となっており、9位のパナソニックはヘアドライヤーとストレートアイロンが主力です。
上記を踏まえると、Shopeeシンガポールでは中〜高価格の美容商品や美容家電が上位にランクイン。女性を中心に美容に対する意識が高いこと、経済的に豊かな世帯が多いことがうかがえます。
次に、Shopeeシンガポールでのゲーム関連商品の人気ブランドを見てみましょう。こちらはシンプルな内訳です。
・1位 任天堂
販売商品のメインはswitch。本体をはじめ周辺機器、ゲームソフトが売れています。
・2位 プレイステーション
PS5、コントローラーといったハードが中心です。
・3位 ソニー
高価格帯のワイヤレスイヤホン・ヘッドホンが人気です。イヤホンの売れ筋は日本円で3万円台、ヘッドホンは同5万円台とスペック重視の傾向があります。
Switchの強さは予想通りですが、アクセサリ系は高価格が強く、品質へのこだわりが感じられます。ゲーム部門においてもアジアの先進国らしい内訳となりました。
④シンガポールの売れ筋商品TOP5
第1位 サンリオ キッズウォーターボトル
美容・ゲーム製品を抑えての総合1位は子供用の水筒。シンガポールに限らず、キッズ向けのサンリオ製品はShopee内で人気です。こちらの製品と同じものは日本での発売はしていないようで、海外版のサンリオ製品と思われます。
第2位 花王 めぐリズム 蒸気でアイマスク
ビューティー部門で紹介した花王ブランドのひとつがこちら。めぐりズムは台湾でも大人気。経済が成熟すると仕事や趣味で目を使う人、癒しを求める人が増えることを示唆しています。
第3位 花王 リーゼ 泡カラー
3位も花王製品。ビューティー部門の分析でも述べたように女性の美意識が高いことが伺えます。中華系が人口の7割を占めることから、アジア人の髪質に合った製品が好まれてのランクインと考えられます。
第4位 KINCHO 桐灰カイロ各種
意外な人気商品がキンチョーのカイロ。シンガポールの気候は温暖であるとはいえ、12月などの日没後には気温が20度を下回ることがあります。温かい国では暖房設備がない家が多く、さっと暖を取れるものとしてカイロが使われているようです。
第5位 TSUBAKI プレミアムリペアマスク
資生堂のヘアケアブランドとして誕生したTSUBAKI。各国のShopeeで数多くの販売実績を残しています。国によって人気商品に違いがあり、シンガポールでは「待ち時間0秒サロン」がキャッチフレーズの洗い流すタイプが売れています。
Shopeeフィリピンでの人気商品カテゴリーと売れ筋商品!
フィリピンの特徴
7,641の島々に1憶900万人ほどが暮らすASEAN唯一のキリスト教国。民族はマレー系がメインで中国、スペイン系なども生活しています。
国語はフィリピノ語で学び、公用語にはフィリピノ語と英語両方を採用。Shopeeフィリピンでは英語が用いられているため、言語面では参入しやすい市場といえます。
国民性としては歌が大好きでカラオケ完備のレストランが多数。スポーツはバスケットボールとボクシングが盛んで、路地などで子供たちがバスケットボールで遊んでいる様子をあちこちで見ることができます。
このようなお国柄が販売商品にも表れているのがShopeeフィリピンの特徴です。
フィリピンの人気商品カテゴリー
Shopeeフィリピンにおける日本製品の販売占有率は以下の通りです。
① 時計(32.2%)
② ゲーム&コンソール(13.6%)
③ ホビー&コレクション(13.3%)
④ ビューティー(13.3%)
⑤ ヘルスケア(7.6%)
先のシンガポールとは全く違うカテゴリー別占有率となりました。1位の「時計」と2位の「ゲーム&コンソール」のブランド内訳を見てみましょう。
日本ブランドの時計部門ではカシオが圧倒的な販売数を誇っています。人気製品の傾向を分析したところ、このような結果となりました。
1位 CASHIO(カシオ)
シルバーやゴールド調のラグジュアリーな見た目の腕時計が売れ筋です。全カテゴリーを含めた総合ランキングでも1位と13位にカシオの男性用腕時計、20位に同ブランドの女性用腕時計がランクイン。3位のG-shockも同メーカーですが、フィリピンではスポーティーなモデルよりも華やかな腕時計が好まれるようです。
2位SEIKO(セイコー)
セイコーの商品も高級感のある見た目の腕時計が人気です。総合11位にランクインした女性用腕時計はアナログのステンレススチール(ゴールドメッキ)で、現地での販売価格は日本円で約1,500円ほどでした。
フィリピンでもswitchは大人気です。
1位 任天堂
シンガポールと同様、switch本体がよく売れています。ソフトは2KシリーズといわれるNBAを題材にしたバスケットボールゲームが人気です。
2位プレイステーション(sony)
「プレイステーション」ブランドで最も売れているのは、2Kシリーズのバスケットボールゲーム。高価にも関わらずps5本体はフィリピンでも人気で、総合17位にランクインしています。
3位 ソニー
プレステ以外でのソニー製品はワイヤレスヘッドホンとイヤホン、有線マイクが売れています。
Switch、プレイステーションともにバスケットボールのソフトが販売上位に入っており、カラオケの必須アイテムともいえるマイクもランクイン。いずれもフィリピンのお国柄をよく表しています。
フィリピンの売れ筋商品
第1位 カシオ エディフィス EF-539D-7AVDF
フィリピンの売れ筋1位はカシオのエディフィス。重量感があるアナログクォーツです。色展開はシルバーとゴールドを基調とした複数の配色があり、中でもシルバー×ホワイト、シルバー×ブラックが売れ筋です。
第2位 MIKANA ヘアクリップ
フィリピンではヘアアクセサリーも良く売れています。日本ではあまり見かけない「MIKANA」というブランドが人気を集めており、同ブランドのピアスが4位にランクイン。フィリピンの女性にはゴールド系のアクセサリーが好まれるようで、女性用時計の1位もゴールド仕上げです。
第3位 Nintendo Switch 有機ELモデル
3位にはNintendo Switch本体のOLEO(有機EL)モデルがランクイン。バックライト不要の有機ELディスプレイの搭載により黒がより深く映し出され、通常モデルよりも鮮明な画質を実現。Switchユーザーが多いフィリピンでも人気を博しているようです。
第4位 MIKANA 18KGP イヤーアクセサリー各種
2位にも登場したMINAKAのイヤーアクセサリーです。18KGP(18K Gold Plated)とは18金の金メッキのことで、地金の上に18金による加工をほどこしたものです。さまざまなデザインのイヤリングやピアスをゴールドとシルバーで展開。口コミを見るとゴールドが人気のようです。
第5位 ロート製薬 目薬各種
フィリピンでは首都のマニラ以外は電車がなく、移動のほとんどを車やタクシー、トライシクル(二輪車に客用キャビンをつけたもの)といった個別輸送に頼っています。さらに、工場などからの排出物が多いため大気汚染が問題となっています。そのような環境で、効き目がよい日本の目薬(ロート製薬)が人気を集めているようです。クチコミによると比較的安価なクール40とビタ40が売れ筋でした。
Shopeeベトナムでの人気商品カテゴリーと売れ筋商品!
ベトナムの特徴
日本から九州を除いたほどの国土に約1億人が暮らす社会主義国。54の民族のうちキン族(京族)が86%を占め、残りは53の少数民族からなっています。
言語はベトナム語となり、Shopeeベトナムでもほとんどがベトナム語での表記となっています(一部は英語)。通貨ドンで国民の平均年収は約48万円ほど。Shopeeでの日本→ベトナムへの越境販売は2024年4月に始まっており、開拓の余地たっぷりの新マーケットです。
ベトナムでは夫婦共働きが主流で女性の就業率が70%を超えています。また女性は色白で二重、美しい黒髪、民族衣装のアオザイが似合うスタイルを備えるのが美しいとされており、女性の美意識が高い国といえます。
このような地域柄がShopeeベトナムでの日本製品の売れ行きにも影響を与えています。
ベトナムの人気商品カテゴリー
Shopeeベトナムにおける日本製商品の販売占有率は以下の通りです。
① ビューティー (26.5%)
② ヘルスケア (17.1%)
③ ホビー&コレクション (15.7%)
④ 時計 (15.7%)
⑤ ホーム&リビング (6.1%)
1位のビューティー部門が全体の約4分の1を占め、2位のヘルスケアが2割弱。このことからShopeeベトナムでは女性の利用者が多いことが伺えます。
また、ホビー&コレクションが3位に入っており、書き下ろし漫画のキャラクターアイテム、ポケモンといったコレクション要素のある商品が上位に入る点がShopeeベトナムでの特徴となっています。
以下にビューティーとヘルスケアのカテゴリー別人気ブランドを掲載します。
※Shopeeベトナムへの越境販売は2024年4月にスタートしたため、ランキングは変動する可能性が高いと考えられます。
データの集積期間が短いShopeeベトナムにおいては「商品登録数」と「販売数ランキング」の相関は低めになっています。
商品登録数の1位はノーブランドですが、販売数としては「KUMANO COSMETICS」、「TRANSINO(トランシーノ)」が上位にきています。これら2ブランドの販売内訳を見てみましょう。
・KUMANO COSMETICS(熊野油脂)
ビューティー部門の1位と2位を同ブランドのシャンプー・コンディショナーが独占。製造元の熊野油脂株式会社は化粧品やヘアケア製品を製造する愛知の企業です。日本でのブランド認知度は高くはありませんが、Shopee各国でヘアケア製品が売れ筋に入っているのを見かけます。
同ブランドの売りとしては椿油や馬油といったナチュラルな原料とプチプラ=安価な価格設定。同様の日本製品とくらべて買いやすいことが人気の理由かもしれませんね。
・TRANSINO(第一三共ヘルスケア)
ビューティー部門の販売数ランキング第3位は美白に特化した商品ラインナップで有名なトランシーノの日焼け止め。かねてより並行輸入などで人気があったそうですが、模倣品が出回ったこともありメーカーの第一三共ヘルスケアが一念発起。2022年より代理店を通じてベトナムでの正規販売を開始したことにより、現地で一層の盛り上がりを見せていると思われます。
ヘルスケア部門の販売登録数1位は日本でもおなじみDHCのサプリメント。
内訳は亜鉛やビオチンといった美髪・美肌のサポートをするサプリが多く見受けられます。
2位のオリヒロはダイエットティーや滋養強壮のマカ、ビタミンCといった製品が売れており、スタイルや健康維持への意識の高さが伺えます。
ビューティー部門でもランクインしたトランシーノがここでも健闘。登録数はヘルスケア部門で6位であるものの販売数は部門トップ。日本でも人気のしみ・そばかす用のインナーケアサプリメント「トランシーノ ホワイトCクリア」がヘルスケア部門の1位を獲得しています。
ベトナムの売れ筋商品
第1位 カシオ レディース用腕時計
ビューティー部門とヘルスケア部門を超えての総合1位はカシオの女性用腕時計。可愛らしいピンクのレザーストラップにシンプルな文字盤の組み合わせで、平均年収がベトナムの約3倍で華やか志向のフィリピンとは好みが異なる様相です。国により売れ筋デザインは違いながらも、東南アジアでのカシオ製品の強さがよくわかります。
第2位 KUMANO COSMETICS 椿油シャンプー
ビューティー部門の1位でもある熊野油脂シャンプーが総合2位にランクイン。日本・ベトナムともに販売価格は700円程度(600ml)です。シャンプーに椿油を配合するメリットは艶のある洗いあがり。豊かな黒髪を目指すベトナム女性からの評価が高いようです。
第3位 KUMANO COSMETICS サロンリンク エクストラコンディショナー
総合3位も熊野油脂のヘアケア製品。こちらは日本円で1,000円程度(1000ml)の販売価格、ベトナムの平均年収(約48万円)に対しては高額であるため、美容への投資を惜しまない女性層が購入していると考えられます。
第4位 TRANSINO ホワイトCクリア
ヘルスケア部門で1位のトランシーノのサプリメントが総合4位に入っています。ビューティー部門でも解説したように、美白ケアが人気のベトナムではトランシーノをはじめ人気化粧品の模倣品が増えています。Shopeeで同様の商品を取り扱う際は正規品であることをしっかりとPRする必要がありそうです。
第5位 TRANSINO 美白UVベース
ビューティー部門1位の商品が総合5位を獲得、4位に続きトランシーノがランクインしました。この商品の魅力はSPF値「50+、PA++++」という強力なUVカット力と美白効果。日本よりもはるかに強い紫外線量となるベトナムでは鉄壁の守りが求められるようですね。
Shopee台湾での人気商品カテゴリーと売れ筋商品!
台湾の特徴
九州とほぼ同じ広さの島に2,342万人が暮らす一大マーケット。地理・歴史的背景の両面で日本との親交が深く、輸出入ともに日本が主要貿易相手先のひとつとなっています。
台湾における携帯端末のうちスマートフォンユーザーは98%を超えるといわれ、Shopeeアプリとの相性が非常に良いエリアです。特に首都・台北ではいたるところにフリーwi-fiを完備、カフェやショッピングモールといった外出先でのインターネットアクセスに事欠かず、すき間時間でのネットショッピングも楽々です。
観光での交流も盛んで日本製品をよく知る方が多いためか、オンラインの買い物でも実力のある商品を選び抜いています。
このような背景をもつShopee台湾での人気日本製品カテゴリーと製品を分析してみましょう。
台湾の人気商品カテゴリー
Shopee台湾における日本製品の人気商品カテゴリーはこのようになります。
① ビューティー(24.7%)
② フード&飲料(15.8%)
③ ヘルスケア(12.1%)
④ ホビー&コレクション(11.2%)
⑤ ホーム&(10.7%)
1位のビューティーが全体の4分の1を占めるのはシンガポール・タイと同様です。Shopee台湾の特徴としてはフード&飲料が15.8%で2位に入る点で、日本の食品や飲料に親しみがあることを示しています。
Shopee台湾で売れている日本製ビューティー商品のブランドTOP20です。台湾をはじめとする東南アジア諸国では女性のロングヘアーが好まれる傾向にあり、ヘアケア製品に興味が高いのが特徴です。
ビューティー部門の販売割合が高いのはシンガポールと同様ですが、台湾では顔用・髪用ともにシンガポールより安価な商品が人気を集めているようです。
実際の販売数も同様で、1位の資生堂は日本で主力の顔用化粧品ではなくヘアケア製品がランキングの上位を占めており、ヘアケア3割、スキンケア4割、メイクアップ2割といった構成です。ヘアケアはシンガポールと同じく「fino」が人気で、スキンケアはドラッグストア系が多く低〜中価格帯が主力のようです。
2位のミルボンはヘアスタイリング関連のヒット製品を数多く産出、国内プロからの信頼も厚い老舗ヘアケアブランドです。6位の熊野油脂はベトナムをはじめ東南アジア各国で取り扱いがある模様。シャンプー・コンディショナーを中心に販売数が伸びています。
台湾の売れ筋商品
第1位・第3位 花王 めぐりズム
台湾で人気のヘアケア製品を抑えてトップに輝いたのは花王のめぐりズム。トップセラーのお店にはこれまでに154,000回のオーダーが入っています。購入者のレビューはすこぶる良く「香りに癒される」、「あっという間に使ってしまったのでリピート」といった喜びの声多数。シンガポールでも売れ筋ランキング2位のめぐりズムは、性別を問わない製品の強さが伺えます。
第2位 象印 キッズ用ステンレスボトル SC-ZT45
台湾では日本のステンレス製品の人気が高く、総合トップ20に象印のステンレスボトル3製品がランクイン、本製品以外は大人用モデルです。こちらの製品はコップとストローの2wayで手が小さい幼児にも持ちやすいようコップの取手を大きめにつくるといった配慮が行き届いた一品。日本製品をよく知る台湾ならではの玄人チョイスといえるでしょう。
第4位 野村 ミレー ビスケット(野村煎豆加工店)
創業大正12年、高知の地場企業「野村煎豆加工店」が誇る人気菓子「ミレービスケット」。日本ではスーパーなどでおなじみの商品です。「ミレー」は明治製菓が発祥。現在は別会社に生地の生産が引き継がれ、そこから送られてきた元生地の加工方法で風味が変わるそうです。野村のミレーは豆を揚げた油をブレンドしてからサクサクに揚げているため、独特の香ばしさがあるとのこと。素朴で優しい味わいが日本のみならず台湾でも評判です。
第5位 ミルボン エルジューダ MO/FO
日本でも幅広い世代の女性に人気のエルジューダシリーズ。髪質やなりたいスタイル別にオイルやミルクが用意されており、それぞれ香りも異なります。鮮やかなフルーツカラーでインテリア性の高いボトルも人気の秘訣。髪のお手入れに熱心な台湾女子の心をつかんでいるようです。
Shopeeタイでの人気商品カテゴリーと売れ筋商品!
タイの特徴
日本の約1.4倍の国土に6,600万人ほどが暮らす仏教国。国民の大多数がタイ族で一部華人やマレー族も暮らしています。言語はタイ語で通貨はバーツ。
熱帯性モンスーン気候に属し、4・5月の気温は40℃近くまで上昇。紫外線量は1年を通じて日本の数倍となります。そのような気候下で「白い肌」を好む人が多いため、美意識の高い女性たちは肌の管理に余念がないようです。
1,800万人を擁する首都バンコクの経済発展はめざましく、市内では高級外車をよく見るようになりました。その反面、バンコクおよび周辺エリアの大気汚染が深刻な問題となっています。原因は交通量の多さとサトウキビの焼き畑による煙害で、政府が本腰を入れて大気汚染の改善に取り組んでいます。
観光で訪れると「タイ料理が美味しい温和な国」といったイメージですが、Shopeeタイでの利用者が多いバンコクは過渡期ならではの環境に置かれているようです。このあたりが売れ筋を読み解くヒントになるでしょう。
タイの人気商品カテゴリー
タイにおける日本製品の人気商品カテゴリーはこのようになっています。
① ビューティー (28.6%)
② ヘルスケア (16.7%)
③ ママ&ベビー (9.1%)
④ 時計 (8.3%)
⑤ フード&飲料(7.5%)
ビューティー部門の占有率はShopee参画国のうち最高の28.6%で全体の3割に迫る勢いです。2位のヘルスケア、3位のママ&ベビーを加えると、カテゴリートップ3で全体の過半数となり、利用者の多くが女性であることが伺えます。
Shopeeタイで盛り上がりを見せているのがビューティー部門。同部門の占有率が近いシンガポールと比べてドラックストア系の商品が多い印象です。ブランド別にもう少し掘り下げてみましょう。
・1位 BIORE(花王)
ボディ用日焼け止めとクレンジングがよく売れています。シンガポールや台湾でもビオレは上位にランクイン、紫外線が強い国での信頼度も厚いようです。9位のキュレルは花王の敏感肌用ブランドで、低〜中価格帯がボリュームゾーンです。
・2位 SHISEIDO(資生堂)
資生堂の上位はほぼヘアケア製品で、タイでも「fino」の洗い流すヘアパックが大人気です。スキンケアはほとんど見当たらず、メイクアップ製品が数多くランクイン。日本でも永遠のロングセラーといわれる「眉墨鉛筆」(日本価格220円)といったプチプラ系が散見されます。10位のアネッサは資生堂のサンケアブランド、ビオレと比べると高価格帯の商品が並びます。
・3位 肌ラボ(ロート製薬)
シンガポールでも人気の肌ラボはタイでも健在。ドラックストアコスメの中でも抜群の安定感を誇ります。化粧水が一番人気でクリームやジェルも売れています。
・4位 キャンメイク(井田ラボラトリーズ)
ブランドロゴに「TOKYO」を冠するようになってから、プチプラジャパンブランドとしての地位をさらに確立しました。タイでのビューティー部門売れ筋トップ3を同ブランドが独占、いずれもSPF50/PA++++の日焼け止めで、お得に良品を手に入れようとするタイの方々のこだわりが感じられます。
・5位 LULULUN(グライド・エンタープライズ)
シリーズ12億枚突破といわれ、日本のフェイスマスク市場で圧倒的な強さを見せる「ルルルン」がタイでも人気を博しているようです。香りや、地域限定などさまざまな種類のマスクがあり、紫外線を浴びたあとのクールダウンとしても最適です。
このようにShopeeタイのビューティー部門では安価で信頼できるブランドがよく売れています。日本のドラッグストアで販売されているものと近い印象を受けます。
タイでは日本のヘルスケア製品が大きな支持を得ているようです。商品別の総合ランキングでは1位〜5位すべてをこのカテゴリーが独占、Shopeeタイの利用者は健康や美容への意識が高い人が多いと考えられます。
ヘルスケア部門トップのDHC商品は全てサプリメント。種類が多いために登録商品が増えての1位となっている側面があります。2位のアイリスオーヤマの商品内訳はすべて衛生用マスクとなっており、長方形タイプよりもフィット感の高い立体タイプが売れ筋です。
サプリとマスクの売れ筋は次の商品ランキングにてご紹介。
タイの売れ筋商品
第1位・第2位 アイリスオーヤマ ブイフィットマスク Mサイズ
大気汚染が常態化しているタイ都市部ではマスクを手放せない人が多いようですShopeeタイで総合1・2位を獲得したのはアイリスオーヤマの立体マスク。商品名のとおりのVフィット形状と花粉などを99%カットするフィルターで余分な物質の侵入をブロック。日本での愛用者も多く「花粉の時期はこれ一択」、「耳が痛くならない」といったファンの声が見受けられます。
第3位・第4位 DHC ビタミンC 60日分
メラニンの合成を抑制し、白肌をサポートする作用があるといわれているビタミンCが総合3・4位を獲得。タイでは化粧品でしっかりとUVカットを行い、インナーケアでビタミンCを補給というスキンケアが定番になっていると考えられます。
第5位 DHC コラーゲングミ
ビタミンCに続き、5位にもDHCの商品が入っています。コラーゲンは健康的な肌や髪の育成に欠かせない成分で、美容に直結しやすいサプリといえます。独特の風味があるコラーゲンをグミとして美味しくとれるよう工夫されています。
第6位 ロート製薬 ビタ40・ビタクール40
フィリピンでもランクインしたロートの定番目薬です。ロート製薬の目薬はアジアで人気が高く、特に価格がカジュアルな「ビタ40」と「ビタクール40」はリピーターが多いようです。大気汚染のように万人に影響がある事象は、日用品の買い物に大きく影響を与えることが読み取れます。
Shopeeマレーシアでの人気商品カテゴリーと売れ筋商品!
マレーシアの特徴
日本の約0.9倍の国土に3,300万人ほどが暮らす多民族国家。多数派のマレー系が約7割を占め、中華系が2割強、インド系が1割弱といった民族分布となっています。
国語はマレー語で行われますが、民族ごとに中国語やタミール語の使用が認められており英語も公用語とされています。全体としてはマレー語を使う人が多いものの、英語も比較的通じるためShopeeマレーシアでも英語の表記が目立ちます。
マレーシアでの売れ筋を知る上で必要な情報をいくつかご紹介。マレーシアには180以上のインターナショナルスクールがあり、多くがイギリス式のカリキュラムを採用しています。学校によっては国際バカロレア(IB)や米国・豪州式カリキュラムを選ぶことができるため、アジアの中では欧米の大学に進学しやすい環境となっています。
教育は先進的ですが外国由来の大気汚染があり、5月〜10月はインドネシアでの野焼き・山火事の煙がマレー半島に届く「ヘイズ(Haze)」といわれる煙害が発生します。これにより気管支系のトラブルを起こす人が少なくないようです。11月〜2月の雨季になると煙害は減り、雨具の利用が増えます。
補足としては、マレーシアではイスラム教を信仰する人が多く、同教では「ハラル」という豚肉(豚由来も含む)やアルコールを口にしないルールがあります。飲食物を販売する際には原材料をよく確認しましょう。
マレーシアの人気商品カテゴリー
マレーシアにおける日本製品の人気商品カテゴリーはこのようになっています。
① 時計(22.1%)
② ビューティー (21.4%)
③ ゲーム&コンソール (13.7%)
④ ホビー&コレクション (11.0%)
⑤ ヘルスケア (10.8%)
時計がトップである点はフィリピンと同じですが、僅差の2位にビューティーが入っている点は異なっています。
カシオの人気ぶりはフィリピン同様ですが、好みのデザインはラグジュアリー志向のフィリピンと正反対。マレーシアの女性はシンプルなレザーストラップ×アナログ盤、男性はスポーティーでスタイリッシュなオールブラックアナログ、G-shockといった商品を選んでおり、オフィス系・スマートカジュアル系に合うデザインが好みのようです。
ビューティー関連ではヘアケア製品が人気を集めています。2位のパナソニックはドライヤーが売れ筋で、3位の資生堂、4位のモイストダイアン(マンダム)、7位のツバキはほとんどがヘアケア商品での登録となっています。
スキンケアは各国でも大人気の肌ラボ(ロート製薬)、ビオレ(花王)が人気で、9位のナチュリエ(イミュ)は他の東南アジアと比べてマレーシアの販売が伸びているブランドです。
「マレー系の男性は白い肌の女性を好む」とする説があるものの、タイのようにUV対策商品やサプリメントに目立った販売実績はありませんでした。多民族国家であるため美の基準も多様になっているのかもしれないですね。
マレーシアの売れ筋商品
第1位 ナチュリエ ハトムギシリーズ
ビューティー部門9位にランクインしたナチュリエの一番人気が総合トップを獲得。日本全国あらゆるスーパー・ドラッグストアで販売されているナチュリエの定番品です。化粧水は安価かつ大容量の500ml、惜しみなく使える点が海外でも支持されています。メーカーが台湾を皮切りに東南アジア各地に販路を拡大しており、マレーシアでも認知度が高いことが売れ筋トップの要因と考えられます。
第2位 カシオ 関数電卓 fx-570EX
欧米豪の中高生に広く使われている関数電卓。マレーシアではインターナショナルスクールをはじめ欧米式のカリキュラムを採用している学校で関数電卓を用います。日本ではなじみが薄いものの、海外では「関数電卓といえばカシオ」と言われるほど厚い信頼が寄せられています。こちらの製品はハイスペックモデル。微積分や方程式、ベクトル計算はもちろん、スプレッドシート機能まで備える優れものです。
第3位 ヤマハ バイク用レインウェア上下セット
各国のランキングで唯一の衣類。マレーシアには雨季(11月〜2月)があり、スコールで突然の大雨にさらされることがあります。二輪車用のレインウェアには一定の需要があり、二層構造かつ手足の裾から水が入りにくいこちらの製品が売れています。
第4位 カシオ 関数電卓 fx-570MS
2位で登場したカシオfx-570EXの下位互換といったところで、価格はfx-570EXの約4分の1。搭載機能はシンプルながらもスタンダードな関数電卓として十分使えるモデルです。
第5位 パブロン咳止め錠(大正製薬)
総合感冒薬をはじめ家庭用の医薬品として海外でも有名なパブロン。マレーシアではヘイズ(煙害)の時期に咳止めが良く売れるそうです。こちらのタブレット錠は日本では終売となっており、海外版のパブロン咳止め錠と思われます。
まとめ
このように、同じ東南アジア内でも文化や経済状況、住環境などの違いにより売れ筋商品が大きく変わります。
売りたい商品が決まっている場合は、商品との相性が良い国を見つけることがポイントとなります。反対に売りたい国が決まっている場合は、その国でニーズがありそうな商品を発掘できると受注アップにつながりやすくなります。
本記事を参考に、あなたの販売スタイルに合う出品国や商品を見つけてくださいね。
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